骨組段階

小説サークル『骨組段階』のブログ。作品情報や設定、小ネタなど更新しています。

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「……そういうお前はどうなんだよ?」
 じろりとひなちゃんを睨みつけながら緑はいう。
「加護さんはダメだぞ? 年が離れすぎてるからな!」
 ビシッと人差し指を突き出して指摘する緑に、ひなちゃんはむ、と表情を曇らせる。
「ひなのおにいちゃん?」
 そう繰り返してから、ひなちゃんは「んー」と腕を組んで考え込む。
「やっぱり緑くん?」
「なんでそうなるのよ! 緑がおにいちゃんとかありえないわよ!」
 わーっと止めどもない勢いで怒鳴られたアカリちゃんは「ご、ごめん……」と首をすくめている。
「だって緑とか、どう考えても弟ポジションじゃない」
「弟ってお前……。自分の年齢考えろよ」
「それだけ緑の精神年齢が低いってことでしょ」
 緑が無言で立ち上がった。そのまま無言でひなちゃんの首根を掴んで猫のようにぽーんと放り投げたりしそうな剣幕だったが、やんわりとソサカ君が間に入って止めている。どうやらこの状況も日常茶飯事のようだ。
「……んで? 大人な雛菊は誰を兄貴に指名すんだよ」
 怒気に満ちた声で緑はいう。
「……セージかな?」
「僕ッ?!」
 まさかの。
 まさかの指名である。
 僕からすればひなちゃんの兄貴分は紛れもなく緑なのだ。……いや、二人を知る大多数は、僕と同じ意見を持っているに違いない。現に、アカリちゃんもひなちゃんは緑を指名すると思っていたのだ。
 それなのに僕って。
「な、なんでまたそんな……マイナーなところを……」
「だって、ドレイキシツだから」
「……え?」
「ひなが頼んだこと、何でも聞いてくれそうでしょ。あと、そうやって色々頼んでも、なんだか悪い気分にならないのがセージでしょ」
「…………えっと」
「だから、ひなのおにいちゃんにはセージが適任なのよ」
「…………ひなちゃん。お兄ちゃんっていうのはね、召使とはまた別の存在なんだけれども……」
「ひなみたいに可愛い妹が出来たら、召使みたいになるのは当然でしょ!」
 ……なんというか。
 返す言葉がなかった。ちょっと喜んだ僕が馬鹿みたい――というか、完全に馬鹿だった。期待した僕が落胆するのを見て、緑が腹を抱えて笑っているのがせめてもの救いだろうか。アカリちゃんやソサカ君のように同情の眼差しを向けられる方が精神的にはキツイ。
 っていうかね。
 奴隷気質って言葉、一体誰が教えたんだよ。
 ……ジェレイラさんとか?
 思わず寒気がした僕は、頭を振って思考を中断させる。泣きたい気分になりながらも、僕はメモに自分の名前を記入する。
 どうせなら、もっと嬉しい気分でいたかったなぁ。

 涙ながらに、ワンポイント獲得。




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category: ◆小説(文字系ネタ)

2012/12/12 Wed. 16:06 [edit]   TB: 0 | CM: 0

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